2022年1月3日
この曲は自分の分身です。
正確にはズレてるかもしれないんですが、23歳頃メンバーとして所属していたDONUT MANを脱退して自分で歌うBRAND NEW PARTYってバンドを作りました。
DONUT MANは当時飛ぶ鳥を落とす勢いで地元三重を席巻していて、そのメンバーでもあった自分の新しいバンド…これはお客さんは付いてきてくれると思ってました。
当時地元でのライブのチケットはメール予約や ぴあなどの販売委託の対応なんてなくて、楽器屋さんの店頭にて委託といった形で販売をお願いしていました。
ライブに来たいお客さんが楽器屋まで行ってチケットを購入する、これが普通でした。
BRAND NEW PARTYとして自分でライブイベントを組み、人並みに宣伝だけしてチケットは楽器屋さんに委託し、ライブの一週間前に売上の確認に行きました。確かチケットの価格は何もわからず500円で設定したと思います。
売れていたのは一枚でした。
今でもチケット管理のために預けていた封筒から滑り落ちる1枚の500円玉の感触は忘れられません。
そのライブ自体はなんとかやり終えたのですが、とにかく自分の小ささを痛感する事になりました。
そこで初めて考えます。自分の本当の源になるものはどんなものなのか?
英語なのか、日本語なのか。早い曲なのか重い曲なのか。
そもそも音楽を続けるべきか?
そんな両足を何かに掴まれてるような日々の中で生まれたのが「アサキユメミシ」です。
どうやって出来たかは覚えてません。でも背景にあるボンヤリとした景色だけは覚えてます。
その後27歳の頃にNICOTINEにメンバーとして加入し、ギタープレイのみでなく編曲やコーラスを任せてもらい
大きなステージや一般的には過酷と言われる日程のツアーにも参加させてもらいました。
NICOTINEの活動中にも自分の曲を作り続けていましたが、表にそれを出す機会は多くはありませんでした。
NICOTINEのメンバーとしてやるべき事をしっかり用意してもらったからです。
俺はギタリストですが、元々は歌を歌います。
今はそれが元に戻った形でやってますが、ずいぶん長い道を行ったり来たりしてきた気がします。
そしてそれは全て必要な事だったと思ってます。
今でもステージに上がる前に怖いなって思えるのは、自分がステージに対してだけは踏み外してこなかったからだと思ってます。
アサキユメミシに限らずなんですが、自分の歌詞の内容は誰かに向かうと同時に自分自身、そして擬人化された自分の夢に向かっていたりします。
このテイクのレコーディングの時のBRAND NEW PARTYのメンバーについてここでは言及しませんが、この曲の一部として各々の時間を使ってくれてありがとう。
歌詞に出てくる「ただあなたの手に触れ」の節は、本当に変わらない価値観で
でもそれ以外にも闘わなきゃいけない事も沢山あったりして
こうやって書いてると、つらかった事や悔しかった事が沢山押し寄せます。
しかし、俺は幸運なのです。
自分の源泉を手放さずに、今もギターを弾いて歌っていられるんだから。
音楽やバンドがなかったら、俺はきっとどこかで中指立ててのたれ死んでたでしょう。
それくらい世の中を疑っていた人間だったから。
ギリギリのところで、神様はいつもプレゼントをくれます。
「お前のやるべき事を忘れるなよ」って。
自分にとってアサキユメミシはそんな曲です。
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バンドマン / ギタリスト シンガーソングライター / アレンジャー / WEBデザイナー / プロデューサー
SKY MUSIC 代表取締役
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