2023年5月14日
昨日MUSCLE ATTACKのライブが終わって、渋谷から普通に電車で帰っていました。
さっきまでライブハウスの熱気の中で好き勝手にやっていたから、いつもの雰囲気の電車の中でまるで別の世界に来たような感覚になりながら昔を思い出していました。
バンドが久しぶりのライブだったってのも影響してたと思います。
プロミュージシャンの定義とは何か。
ある一定以上の技術なのか、どこかと契約を結ぶことなのか、はたまた名乗ってしまえばなれるものなのか、曖昧の極みと言えると思います。
様々な要素があるとは思うけど、俺の思想として柱になってるのは誰かに喜んでもらって報酬を得る事だと思ってます。
なので昨日はプロミュージシャンのステージだったと自負しています。
と言いながら、自分自身は「プロミュージシャンになってやるぜ!」って感覚は薄い方かなと思います。
すんごく正直に言うと、一生懸命やってるとそれどころじゃないのですよ。
ただ目の前の壁をなんとか登り切るためにいつでも精一杯で、戦略的に考えたりもするけど現実はいつも行き当たりばったり。
「ここで諦める人も多いだろうな…」なんて事を考えながら、やっぱりそれどころじゃない。
たくさんの人に楽しんでもらうためなら、自分の個なんてものは石ころみたいなもんです。
プライドを捨てろとかそんな話ではなくて、己の本心を守るためなら小さいことにこだわっていられない。
喝采を浴びるチャンスが目の前にあるのに、「それは俺のスタイルじゃない」なんて言ってたら、自分の凄さはいつまで経っても誰も知らないまま。
俺は元々人見知りで、世の中を信じていない子供でした。
今のライブを見てもらえると、それが嘘のように見えるかもしれない。
なので俺は嘘の塊なのかもしれない。
でもね、ライブの場面ではそんなことどうでもいいんですよ。
楽しませれなかったら俺の負け。記憶に残らなくても俺の負け。
その瞬間に勝つためだったらどんな手でも使う。
そしてそれが俺だってのを最後まで引き下げなかったら俺の勝ち。
ライブでよく喋るようになったのもいつからかも覚えてないし、ギターを弾く時の立ち回りもいつのまにかこうなってた。
他人から見たら雑味である部分、それは角度を変えると自分以外の誰にも扱えない強い武器になり得る。
少年の頃の自分が今の自分を見て言うかもしれない。
「それは僕のなりたかったものじゃない」と。
俺はこう返すと思います。
「君はまだ君の世界以外の面白いものを知らない」と。
ミュージシャンを続けるのは多少の運が必要だと思います。
きっと今の自分でなければ、その運は誰かのものになってた気がします。
何かに挑戦してると、必ずやめたくなる瞬間があります。
もしくは自分には無理じゃないかと思い込む時があります。
その時は休んで遊んでればいい。
つらい自分を肯定して出す結論なんてろくなもんじゃない。
美談で終われる夢なんて夢ではない。
夢ってのはもっとみっともなくて、厚かましくて、自分が存在する言い訳でいいんだと思います。
ただ、細い糸一本でいいんで心が切れないようににしておいて欲しい。
夢と繋がってる自分を好きでいて欲しい。
社会の中で生きてると、その糸が煩わしく思える瞬間もあると思う。
でもその社会ってのは本当にそんなに大きいものでしょうか?
奴らは自分を大きく見せるためにいつでも嘘まみれ。だったらそれ以上の嘘で塗り潰してやればいい。
そしてその嘘が完成して、それを愛せたら辞めればいい。
ただひとつ、誰も知らない部屋の隅っこにある自分の本心。それだけには嘘をついてはいけないと思います。
何かに挑戦してる人へ。
このハリボテで頑丈な世界と、その世界の中にいる不安定な自分を騙し切れたらあなたの勝ちです。
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バンドマン / ギタリスト シンガーソングライター / アレンジャー / WEBデザイナー / プロデューサー
SKY MUSIC 代表取締役
OUTPUT-WEB 代表
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