宅録での音源制作の注意点

2020年 3月13日

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イベント自粛で多くのミュージシャンの時間の使い方が変化したと思います。

 

配信を始めた人もいれば、曲作りに没頭してる人もいるでしょう。

 

今回は家で作る音源製作における大事な注意点を書きます。

 

 

大まかな話、曲と呼ばれるものになるには「伴奏と歌詞と歌」だけあれば成立します。

 

スマホの普及により、宅録の機会は増えたと思います。iOSならGARAGE BANDだけでも作れちゃいます。

 

僕は普段スマホではなく、自宅での製作はPCで行ないます。

 

PCはMacで、DAWはpro toolsです。ギターのプラグインはAmplitube、ドラムはADDICTIVE DRUMです。

 

ボカロも使います。STUDIO ONE 初音ミクです。

 

DAWはlogicなどでも全然問題ないと思うんですが、pro toolsは多くのレコーディングスタジオで使われているってのが選んだ理由です。互換性が高い方がレコーディングの時間を有効に使えます。

 

 

今回書く内容は、機材の使い方ではありません。製作の目的を見失わいための話です。

 

機材の性能が上がって便利になる反面、機材を扱うための知識と技術が求められます。

 

まずここで目的を明確にしましょう。

 

製作の目的は「曲を完成させて誰かに聴いてもらう」です。

 

DAWをいじっていると、時にこれとは真逆の現象が起きます。すでに製作した人なら経験しているはずです。

 

それは「ちゃんとDAWを完璧に扱えないといけないんじゃないか」って思い込みです。

 

ギターで言うと、気持ちのいい音はもう出せてるのに、新しく買ったエフェクターのよくわからないツマミをいじってしまう状態です。

 

目的は「いい音を出す」であって、「エフェクターのツマミをいじること」ではありません。

 

製作のためのDAWであって、DAWのための製作ではありません。

 

 DAWはとても便利で、トラック数も気軽に増やせてバイオリンなどを鳴らすのも簡単です。ついついトラックを増やして音源を豪華にしたくなるものです。

 

しかし、ほんとにそのトラックは曲に対して必要でしょうか？歌のいいところを殺してないでしょうか？

 

DAWを始め、エフェクター、プラグイン、極端に言えばギターだって音楽を鳴らすための道具に過ぎません。

 

宅録を続けていると、いつのまにかその道具に振り回されてる時があります。

 

冒頭にも書きましたが、曲は「伴奏と歌詞と歌」だけで成立します。

 

伴奏は200トラック使った豪勢なものでも、1トラックのアコギでもかまいません。

 

大事なのは、その歌詞と歌を活かしてるかどうかです。

 

今は家で過ごす時間が増える時期です。時間があると余計な足し算をする予断が生まれます。

 

目的は曲を伝えること、技術を見せるのは別の機会を設けることだってできます。

 

 

個人的な見解ですが、デモ音源に手間をかけ過ぎると、それを再現しようとライブがこじんまりしたものになる気がします。

 

KISSのジーン・シモンズが言ってました。

「チョロチョロ技術をひけらかす奴もいるけど、俺のAコードの方が強い。撃ち落としてやったぜ！」と。

 

これはひとつの真理だと思います。

 

早弾きやエフェクティブなギターを否定してるわけではありません。実は俺も本質的には好きな方です。

 

しかし、多くの人の心を捉える曲は、それを道具として使いつつ、シンプルにど真ん中を打ち抜きます。

 

こだわりは大事です。でも時にそれは迷路になります。

 

曲を伝えること。これを明確なゴールにすると宅録でやるべきことも明確になると思います。

 

魅力のある人がTシャツとジーパンだけでもカッコいいように、どんなにシンプルな伴奏や歌であっても、あなたのすごさは十分に伝わります。

 

貫きましょう。